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ソフィーの世界


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ありきたりで繰り返しだけど、「ソフィーの世界」を読んだ。世界で一番優しい哲学の本と呼ばれるこの物語。哲学は決して簡単じゃないし、とても理解しにくいところが多いけど、でもわたしたちの人生の意味を大きく変化させるのもきっと哲学だ。
「あなたは誰?」という不思議な手紙から始まる物語は、ソフィーと哲学者アルベルトの秘密の文通からスタートする。大人たちは兎の毛の奥へともぐりこむのみのようなもので、哲学者たちはその毛をはいあがろうとする、という例えで、宇宙の大きさかが表現される。無からは何も作られない。だとしたら宇宙はどうやって生まれたのだろうか?地球は?生命は?わたしたちは本当にこの現実を生きているのだろうか。もしこれが、誰かが作り出した物語の一つでしかないとしたら。誰かの夢だったら。生きている、それだけのことが大きく大きく広がり、哲学という分野によってたくさんの意味をあらいだされる。
大人になるにつれてわたしたちはこの世界を経験し、当然のように受け止め、何かに対する驚きをなくしていく。それは毛の中にうずまることに慣れてしまったからなのだ。子どもたちは世界を知るために日々何かに対する好奇心を燃やす。小さい頃は不思議だったはずのことが、どんどん当たり前になっていく。それがどんなに寂しくて、生きることをつまらなくなしているか誰にも気づいていない。一部の哲学者たちだけが、子どものように世界を大きく見て知りたがる彼らだけが、気づいているのだ。決して兎の毛の奥にうずくまってはいけないのだ。
小さい頃、よく大人たちに「世界はどこから来たのか」とか「宇宙はどうやって出来たのか」とか「どうやってものの一つ一つに名前がついたのか」とか聞いたものだった。もちろん答えをくれた人なんか一人もいなかった。それでもわたしは知りたかった。そういう時代があったはずなのに、今では知らないことが当然になってしまっている。誰も答えられないから、問いを立てることに価値がない、意味がないなんて、本当は思っちゃいけないのに。誰も答えられなくたって、考えることに意味があるのに。そうするだけでもずいぶん人生を探せるはずなのに。
足元に広がる大地も、頭上に広がる空も、無数の星も、大きな大きな永遠の宇宙も、どんどん進化して行く文明も、科学も、生命も。みんな哲学がはぐくんだ問いによって身近になって来た。問いを立てること、答えを探し求めること、世界がどんなに広くたって諦めないこと、わたしたちは一人ひとり哲学者なんだから。非常に考えさせられる本。一年に一回は読んでおきたいかな。また自分が哲学者であることを忘れた頃に読んで、思いださないと。それこそが生きることを失わない大切な習慣だと思う。
B.G.M.「landmark/salyu」

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